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俺物語!(18)~卒業生 澤田さんに聞く土地家屋調査士とは~

2024.09.05

みなさんは土地家屋調査士という職業をご存知でしょうか?

司法書士や行政書士のような法律専門職の1つで、「作業服を着た法律家」と呼ばれることもあるらしいです。

 

本校で測量を勉強すると、それを活かせる職業としてその調査士があります。

実際に、測量情報科を卒業し、調査士になった卒業生が、私の知っているだけでも5人います。

 

今回はその中の澤田芳雄さんに、土地家屋調査士の仕事について教えてもらいました!

 

澤田 芳雄(さわだ よしお)
千歳高校 普通科 卒業 → 芝浦工業大学 工学部建築学科 卒業 → 平成26年3月 本校 測量情報科 卒業
千歳で生まれ育ち、大学進学のため上京。札幌工科入学のタイミングで地元に戻った。趣味は旅行で、ヨーロッパを鉄道で横断したことがある。

 

1.土地家屋調査士ってどんな仕事?

:簡単に言うと、土地や建物がどんな大きさで、どこにあって、どんなものかを明らかにする、そして登記記録に反映させるという仕事です。
また、土地に関しては、現地で実際にどこまでが土地の範囲なのかを示すことも仕事の一つです。

 

亀:登記記録というのは、どういうことが載っているんですか?

 

:登記記録は、表題部と権利部に分かれていて、調査士は表題部を扱います。
土地の表題部には、所在、地番、地目、地積、原因及びその日付が、建物の表題部には、所在、家屋番号、種類、構造、床面積、原因及びその日付が記録されています。
法務局で誰でも取得(お金は掛かります)することが出来る、土地や建物の言わば商品タグみたいなものでしょうか。

 

亀:日常生活では目にしないものですよね。
我々一般人は、どんな時に調査士さんにお世話になるのでしょう?

 

:建物を新築した時というのが一番多いでしょうか。
あとは、親御さんが亡くなって、子どもたちで土地を分けることになった時に、土地の分筆をするというのも多いかと思います。

 

亀:結構、人生の大事な時に関わる仕事なんですね。

 

:土地や建物の状況が正確に登記に記録されていれば、土地や建物を購入したい人は安心です。
その安心のために登記を手入れし、また、土地の境界も手入れする仕事ではないかなと思います。

 

2.実際どんな業務をしていますか?


現地に行って自分で観測します

:父も土地家屋調査士をしており、一緒に働いているので、大まかに土地の業務を父が、建物の業務を私が、というふうに分担しています。
たくさんの建物の登記をしたり、土地の業務については、父と一緒に色々な所へ行って測量をしてきました。

 

亀:デスクワークもフィールドワークもあるんですね。

 

:現場の規模にもよりますが、デスク:フィールド=2:1くらいでしょうか。
場合によっては1:1や、逆転して1:2もあるかもしれません。
平均して、デスクワークの方が、割合は大きいような気がします。
ただ、これは、個人の能力にもよるかと思います。私は、デスクワークの進みが悪いです・・・。

 

亀:出張は多いんですか?

 

:遠方に測量や建物調査に行くことはありますが、泊りがけで行くことは稀です。

 

亀:印象に残っている業務はありますか?

 

:建物の業務では、増築をしたり一部を取り壊したりしたものの、長年、登記が書き換えられないままになっていたものを、現況に合わせて登記した仕事が印象に残っています。
土地の業務では、大きな造成地の分筆測量が印象深いです。何もなかったところに、道路が出来、立派な業務団地になりました。

 

3.父の後継ぎとして土地家屋調査士に


隣接地の所有者と立会して、境界を確認しているところ

 

亀:澤田さんは入学当時で30歳でしたが、それまでは何を?

 

:入学前の3年間、東京の区役所で建築の部署の非常勤職員をしていました。
大学で建築を勉強して、卒業後、設計事務所に就職しましたが、大学生活とのギャップに適応できず(笑)、3か月くらいで辞めてしまい、その後はちょっと苦労しまして、大学の先輩の勤務する会社でアルバイトをさせてもらったり、とにかく資格を取ろうと、2級建築士の勉強をしたりして、区役所の非常勤職員に流れ着きました(笑)。

 

亀:色々あったんですね(笑)。

 

:非常勤職員は、いわゆる非正規雇用、有期雇用なので、長く続けられるものではないと思っていました。
石の上にも3年ということで、3年はやろうと思っていましたが、仕事の中で、2級建築士を持っていると、測量士補と同じように調査士試験の一部免除が受けられることを知り、父の仕事を引き継ぐという考えにつながっていきました。
そして、調査士の勉強を始め、いずれ調査士をするなら必要になる測量に関しては全く門外漢だったので、札幌工科へ入学して基礎から勉強しようと思いました。

 

亀:私の中で、調査士って世襲制が強いイメージがあるんですけど。
本校を卒業して調査士になった方たちって、やっぱりみんなお父さんが調査士で。
でも、縁故のない人でも目指せるものですか?

 

:確かに自分を含め、周りでも、2世であったり、親戚など近しい人が調査士であったりというケースは多いと思います。
既に事務所があり、お客さんがいるメリットはありますね。

 

亀:そうでもないと、なかなか知る機会がないですもんね、調査士っていう職業自体。

 

:縁故のない人でも、調査士事務所や測量会社に勤めていて調査士を目指し、独立開業というケースがあります。
この場合は、お客さんさえ付けばすぐ仕事をすることができますが、最近多いと感じるのは、全く異業種から転職のケースです。
測量未経験の場合は、苦労することもあるかもしれません。
それでも、現職調査士の高齢化などで、調査士は減少傾向ですから、将来性を考えて調査士を目指す人が増えているのかと思います。

 

亀:そんな人はぜひ札幌工科の測量情報科にお越しください(笑)。

 

4.在学当時の思い出

:測量情報科は、1年というカリキュラムだったため、集中して勉強しようと下宿に入居したのですが、30歳での下宿生活がとても思い出深いです。

 

亀:カーサグランデに入っていたんですよね。

 

:モエレ沼へのサイクリングや、テスト前の雰囲気、ご飯が美味しかったことなど、時々、懐かしく思い出します。
また、学園祭のビンゴ大会でデジカメが当たり、卒業後、仕事で大いに活用しました。

 

亀:最近の測量情報科は1クラス20人くらいいるんですけど、澤田さんの時は7人でしたね。
連絡を取ったりしますか?

 

:なかなか、全道(もしかしたら道外も?)に散らばっているので、日常的に連絡を取り合っている人はいないですね。ぜひ、同窓会などの機会に会えたらと思いますが。
ただ、測量情報科の場合、1年で学ぶという濃い時間をクラスメートと共に助け合って過ごしますので、連絡を取り合わなくても、お互いに思い合っている気はします(笑)。

 

5.どうやったら土地家屋調査士になれるの?


旅行先で基準点があると写真を撮ってしまうという調査士の職業病(左からハワイ、台湾、ドイツ)

 

:調査士になるためには、年に1回の国家試験に合格しなければなりません。
測量士補を持っていると試験の一部が免除になるので、卒業と同時に取得できる札幌工科は、とっても有利です!
調査士の実務をするためには、試験で資格を取るだけでなく、測量の知識も必要ですので、学校での実習経験が大いに役立っています!

 

亀:とはいえ、試験は合格率10%未満でチョー難しいですよね。

 

:超難関とまでは言えないのかもしれませんが、他の国家資格とは単純に比較できない独特なものだと思います。知識の範囲でいうと「狭く深く」で、その分、細かい論点も出てきます。また、作図を伴う記述問題もあります。
試験時間の中で、択一問題と記述問題をこなす必要があり、時間配分や回答順序など、自分の得手不得手に合わせてしっかり試験対策をしなければ、なかなか合格できないと思います。

 

亀:どうやって勉強したんですか?

 

:自分は、最初の2年と合格直前の1年、予備校に通いました。
予備校のテキストを使って自己流で勉強していた年もありましたが、最後の1年は、「今年で受かる!」と決め、予備校に再度通い、カリキュラムに沿ってもう1度勉強しました。
やはり、効率が良いのは、予備校を利用することでしょうか。同じ目標を持つ人が集まりますので、情報交換ができるなど、試験勉強に集中する環境を作れるのは良いかと思います。

 

亀:通常業務もしながら予備校も通って、大変でしたね。

 

:試験には、結局、8回目で合格しました。
思うように勉強の時間が取れなかったり、モチベーションが下がった時もあったりしましたが、挑戦し続け、何とか合格できました。

 

亀:どんな時に調査士になって良かったと思いますか?

 

:やはりお客さんから感謝の言葉をいただいた時に調査士になって良かったと感じます。
先日も、登記しないままになっていた住宅の登記をしたのですが、昭和40年代に新築されたもので、当初建てた方は既に亡くなっていました。
息子さんを所有者として申請するのに、書類を揃えるのがなかなか大変だったのですが、無事登記が完了し納品した時は、とても喜んでもらえました。

 

 

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