コラム
俺物語!(20)~造園2年 坂本さんに聞く本校での森林系の学び 前編~
2025.03.04
本校の造園緑地科では、
主に①造園 ②園芸 ③森林 のことを総合的に学ぶことができます。
その中で、今回は森林系について学生目線で紹介したいと思い、造園緑地科2年生の坂本奈未さんに教えてもらいました!
坂本 奈未(さかもと なみ)
札幌旭丘高校出身
北海道森林管理局(国家公務員)に内定し、最初の赴任地は十勝の上士幌町に決定。趣味はギターを弾くこと。最近のマイブームは麻雀で、アプリでオンライン対戦を楽しんでいる。1度、大三元字一色(ダイサンゲンツーイーソー)が揃った時はテンションが上がった。
1.はじめは葉っぱの見分け方から
造園緑地材料や森林実習の授業で葉や枝の見分け方を学習
亀:1年目ってどちらかというと造園系統のボリュームが多い気がするんだけど、森林系といえば、玄関ホールで枝や葉っぱを広げながら授業してたよね。
坂:そうですね!
先生が現物を持ってきてくれて、それを見ながら見分け方を教わりました。
亀:どんな特徴があるの?
坂:例えば針葉樹なら、松類には二葉で1つの葉、五葉で1つの葉になっているものがあります。
あとヒノキやサワラは葉の裏側を見て、気孔帯(きこうたい)って言うんですけど、その柄によって見分けることができます。
Y字型だったり、チョウチョの模様だったりするんです。(スマホで見せてくれる)
亀:うわ、顔みたいで怖い模様だね。
坂:葉先を触った時にチクッとするのがクロマツ、柔らかいのがアカマツです。
広葉樹だと、葉の形や鋸歯・・・あ、ギザギザのこと鋸歯(きょし)って言うんですけど、そのあるなしとか。
広葉樹の方が葉の形がそれぞれ違うので見分けやすいですね。
亀:本物の葉っぱを見たり触ったりしながら覚えていくんだね。
坂:モエレ沼公園や野幌森林公園にも行って、歩きながら先生から木の種類をたくさん教わりました。
亀:道端でなみさんに「あれ何の木?」って聞いたら、わかるようになってる?
坂:うーん、実習に出てきたものなら、だいたい覚えてると思います!
2.チェーンソーと刈払機の免許を取得
チェーンソーを持って森林施業
亀:1年生の後期から森林実習が始まるね!
坂:10月にチェーンソーと刈払機の講習があります。
学校で座学をした後、森に行って1人1本、チェーンソーで木を切りました。
亀:チェーンソーって重たいんでしょ?
坂:講師の方が2種類のチェーンソーを持って来ていて、女子は軽い方を使わせてもらいました。
でも、刃を入れると結構体を持って行かれます。
亀:筋肉痛になりそう・・・。
坂:安全な切り方とチェーンソーの操作、刃を砥いで整備する方法も習いました。
砥ぐ前後で、木を切る速さがどれくらい変わるのか、時間をはかってテストしたんですけど・・・
私はうまく砥げてなくて、逆に後の方が時間がかかってしまいました(笑)
亀:強さや角度にコツがありそうだね~。
あと、私が運転手でついて行った実習で、野幌森林公園で野鳥の調査もしたよね。
坂:あ、ありましたね。
野鳥のさえずりを記録しながら森林を歩く
亀:野鳥はそこの森林環境の指標になるとか、鈴木先生が言ってたよね。
さえずりを聞いて、記録して、移動して、また聞いて、記録して・・・みたいな感じだったような。
でもその日雨だったから、鳥もあんまり活動してなくて、早めに引き上げたんだよね。
坂:もらったプリントも濡れちゃいました。
亀:なのにみんな、なかなか帰ろうとしなくて、鈴木先生と佐藤先生に「これ何ですか?」「あれ何の木ですか?」って聞きまくってたのを覚えてるよ。
そしてそれに全部答えてくれる先生の知識もすごい。
3.スマート林業を学ぶ!
国有林でハーベスタの実演を見学
亀:国有林に行って林業機械を見せてもらったこともあったよね。
坂:見に行きました!!
ハーベスタを使って樹木を伐採・枝払い・玉切りしてる所を実際に見たり、フォワーダを使って伐採した木を運んでる所を見たりしました!
亀:そうそう。
アームが木をガシッと掴んで、ウィーンって切って、バリバリって枝を剥がして、丸太になるまですんごい早かったよね。
坂:あと、現場の管理にタブレットを使っていました。
重機と連携していて、タブレットに現在位置とかのデータが入ってて、他の人と情報の共有が出来る、みたいな感じだったと思います・・・。
亀:森の中でも電波届いてたよね。
これがスマート林業か。
坂:インターンシップの時には、森林クラウドや森林GISという技術も活用していることも知りました。
森林に関する情報を共有できたり、地図上に区画を入れたり、加工したりして、今後の森林管理方法等を決定するのに役立つものです。
あと、ドローンの操作体験もしました!
鈴木先生の手作り資料で万全の公務員対策
亀:なみさんは元々公務員志望だったの?
坂:そうですね。
一度看護学校を休学して迷っていた時に、何かお金のかからないことをしようと思って、市内の公園巡りをしたんです。
そこでなんかこう、自然に癒されて、何か自然に貢献できることがしたいと思ったんです。
「自然 専門学校」で検索してこの学校を見つけて。
ただ、通うのが遠いので、他校とも迷ったんですけど・・・公務員を目指せるので札幌工科に決めました。
民間企業よりも自分に向いていそうで、安定していることと、自然に貢献できることを兼ねているので、良いなと思って。
亀:なみさんにもそんな時期が。
しかし、うち遠いよね。それなのに2年間、ほぼ皆勤でほんとによく頑張ったね!
林業の公務員試験てどんな問題が出るの?
坂:日本や世界の輸出入、木材の加工、樹種、キノコ、天然林、人工林とか・・・森林白書を見て最新のデータを頭に入れておく必要があります。
国家と北海道でちょっと傾向が違うんですけど、国家の勉強をしていれば北海道にも対応できる感じです。
亀:試験対策は、鈴木先生がしっかりやってくれるよね。
坂:資料が素晴らしすぎる・・・!
問題1つ1つの解説に、データや根拠が整えられていて、わかりやすいんです。
公務員試験の問題を作る側の立場だった先生だから、めちゃめちゃすごいです。
亀:どんな問題が出るのかを知り尽くしてるってことだよね。
ビオトープ管理士の対策もそうだけど、過去何回この問題が出題されたか、出題傾向も研究してくれている熱意が本当にすごい。
そんな先生が味方でいてくれるのがどれだけ心強いことか。
1年生が鍋で炊いたお米でカレーライスパーティー
亀:この間、1年生が実験室でお米炊いてたよね。
森林の授業なのに、なぜお米?
坂:先生曰く、森林官たる者、山に入って米くらい自分で炊けないでどうする!
ということらしいです。
亀:みんな上手に炊けて、しかもおコゲがいい感じで、私も美味しいカレーをご馳走になりました(笑)
前に、2年生はお餅も作っていたね。
坂:佐藤先生がトチの実を持って来てくれて、あく抜きをして、トチ餅にしました。
亀:佐藤先生はどんな先生?
坂:癒し系です・・・!(笑)
声が大きいので山の中でもよく通るし、授業の資料も説明もめちゃくちゃわかりやすくて、体験型の授業が多いのが嬉しいです。
亀:実習楽しそうだよね。
造園さんは森林実習でキノコ採ったり、畑で野菜を収穫したりできるし、美味しい思いができるのが良いところよねー。
トチ餅をこねる2年生
1年生はお米、2年生はナンを作って、特製カレーをいただく
次回、学校演習林の整備プロジェクト編に続く!
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